8月 告白された

 職場の、10コほど年上の女性から、告白された。
 その方と出会ったのは、春に新しい職場に来て、1か月後くらいに行われた飲み会の席で。
 早い段階から好意を持っていただいてるのは感じていたが、自分としても、いろいろ話を聞いてくれるよいお姉さん、という感覚で、親しく接していた。


 こういう関係における距離感のとり方というのはほんとに難しい。
 結局、僕が他の女性と遊びに行ったことがきっかけで、その方に問いつめられるようなかたちに。
 自分としては、その方とはつきあっているわけでもないし、なんら、やましいことをしている気持ちはなかったので、包み隠さずありのままを話したつもりだったのだが、その方には、どうもショックだったらしい。
 その話が発端となり、その流れで、先方から僕への好意を伝えられることに。
 結果としては、先方の好意は受け入れることができず、距離を置くこととなった。


 振り返って思うのは、自分の配慮が足りなかったのだな、ということ。
 先方の好意に早い段階で気づいていながら、「交際はできない」という意思を、伝えることができずにいた。
 気持ちとしては、それとなく、そういう事を小出しに伝えていけば、先方にも気づいてもらえ、なおかつ、姉弟関係のような良好な関係が維持できると見込んでいた。
 しかし、実際、それはあまりに甘い考えだったと言わざるを得ない。
 自分の拙さや、人生経験・恋愛経験の乏しさを見せつけられる格好となった。
 自分が逆の立場だったらどうか?などと考えると、胸が締まる思いがする。
 この出来事を糧に、成長せねば。そのように感じた。


 その方とは、今でも仕事上のつきあいが弱冠ある。
 なんともなかった風に接してはくれているが、10コ近く上の方ということもあり、内心どのように考えているかは想像も付かない。
 少し時間を置いた後、友人としての関係は再会するかもしれないが、それは期待することでもないし、努力するものでもないだろう。流れのままに、というか。
 人間関係の難しさを思い知らされた一件だった。