飲み会ボイコット

 今日も研修だった。その間滞っている本業務の方が、気が気でならない。とりあえず研修自体は楽しくリラックスした雰囲気の中進められていくので、正直心が休まる。逆を言うと、普段の職場での仕事は、なんとなく無機質で殺伐なイメージがあり、毎日続けていると徐々に精神的に病んできてしまう気がするのだ。
 ところで、研修の後には、一部有志で飲み会に行くのが恒例になっている。「一部」というのは、その研修の日取り(最終日や、金曜日は、飲み会参加が増える)によって変動があるが、一定数の人はほぼ毎回、参加しているようだ。
 自分も、新規採用の頃は、飲み会があるごとに、参加した。でも、実際参加してみて、ほとんど楽しめない。あんまり飲まないと、緊張というかもともとの引っ込み思案でほとんどしゃべれないし、飲みすぎると、しゃべりはしても、記憶がほとんどなくなってしまうからだ。
 このことは、大学の頃から、うすうす気づいてはいた。そして、「自分に飲み会は会わない。極力参加を控えよう。」と、幾度となく決心した。でも、いつのまにかなあなあになり、「自分はもっとアクティブに活動して人生を充実させなければならない」といった思いに襲われ、次第に参加するようになり、また、「やっぱり自分には合わない」となるのの、繰り返しだった。
 うつの診断を受けてからは、ある程度地に足を着けた考え方ができるようになり、「自分は飲み会を積極的に楽しめるような性格ではないのだから、出たくないときは無理せず休めばいい」と思えるようになってきた。また、うつ治療には、飲酒を避けた方が良い、という事情もある。
 お酒というのは、言い方は悪いが、合法的な麻薬のようなものだ。「酔う」楽しみというのは、格別なものがある。自分は、気心の知れた仲間だけでの少人数の飲み会は、リラックスして、大いに楽しむことができる。そういうシチュエーションは今までの人生で数えるほどしかないのだが。でも、そんな運良くそんな機会に出会ったときは、「こんな瞬間にめぐり合えるのなら、人生も、悪くない」というふうに思える気がするのだ。