仕事の奴隷

 気がつくと仕事のことが頭の中をぐるぐる回っている。
 今の仕事に強く興味があるわけではない。
 「仕事人間」という具合に、仕事一筋で生きるつもりもない。
 どちらかというと、自分自身を大切に、プライベートや人との接触を重んじて生きていこうと考えている。
 「こんなもん、くそくらえ。今取り組んでる仕事なんて、上司や周りに怒られない程度に、手を抜いてやり過ごそう」という思いも多分にある。
 でも、不思議なもので、頭の中は仕事のことだらけ。
 何が自分の意識をそのように仕向けるのか?
 責任感?出世欲?向上心?それとも怒られたくないだけ?
 わからない。どれも、少しずつあてはまる気はする。でも、どれもそこまで大きな力には感じられない。
 とりあえず、貴重な20代を、仕事のことに頭の中を占拠されて過ごすのは嫌だ。
 自分なりの考え方を持たなければいけない。
 同じ仕事のことを考えるのでも、「何か得体の知れない力で無理矢理考えさせられてる」という受け身の状態と、「自分は〜〜〜といった考え方で生きている。今は、仕事のことを考えるのだ」という能動的な状態では、天と地の差がある。
 目指すは後者。
 まずは、自覚を持っていきよう。自分の考え方、感じ方、行動、反応、嗜好、興味に意識を向け、自分像を浮き彫りにしていく。
 そういう風にしていくことが、自分なりの価値観を築く第一歩になるのではないか。