嫉妬

 流れでもうひとつ。
 エネルギーに満ち溢れている活力のある人間は、苦手だ。
 なぜなら、自分の理想としていた人間像に、かぶるから。
 「本来なら自分もこんなふうにアクティブに活動する人間になるはずだったのに」と、身の程知らずとわかりつつも、感じてしまう。
 なので、そういう人の目の前に立つと、自分のプライドがぐちゃぐちゃとかきまぜられてる気がして、頭がおかしくなる。現実の自分とその人との落差みたいなものを感じてしまい、なんとも言えず惨めでむなしい気分になってしまうのだ。
 大学の頃は、そういうとき、「よっしゃ、自分もこの人を見習って、成長するぞ!」と自分に喝を入れる奮起剤になったものだが、そのうち現実の厳しさが見え隠れし始め、ついには疲れ果ててしまった。
 逃げの人生だな、自分って。