仕事って

 社会に出て、1年が経過した。業務内容にはそれなりに慣れてきた。しかし、一方で、仕事、ひいては、社会という概念について、未だ自分なりの考え方が固まらない。日々こなしている業務は、何かの役に立っているのか?自分の成長の糧となるのか?自分の能力に見合った内容なのか?やりがいはあるのか?
 どうも、否定的な答えしか出てこないのである。このまま仕事を続けていって、このままトシを重ねて衰えていくのかと考えると、むなしさを感じずにいられない。「自分は
こんなところに収まる器ではない」「自分には、もっとやるべきことがあるはずだ」等と、根拠のないプライドが自分の首を絞める。
 こういう精神状態だと、正直、仕事に身が入らない。ふわふわと、心ここにあらずといった感じで、現実の自分と理想の自分がかみ合わない状態だ。現実の仕事をやればやるほど、「今、しているのは、自分が本来やるべきではない。これは仮の姿だ」という思いが強まる。そう思うことで、現実のむなしさと折り合いをつけ、精神状態を保とうと、心が無意識に動いてるのかもしれない。
 できれば、もっと地に足をつけた、等身大の価値観を持ちたい。そうするためには、どうすべきか。昔の自分であれば、自己啓発系の本に頼るところだが、こういう類の本に頼りすぎて、今のうつ状態を招いた(であろう)という反省もあり、軽々しく手に取らないようにしている。あと、年齢を重ねれば、徐々に思考が落ち着いてきて、安定した精神状態になってくるのかな、という期待もある。しかし同時に、トシをとることへの恐怖、嫌悪も大きい。人間的にいろんな能力が落ちていくし、楽しみも減っていく。人生自体も、「自分のため」から「人(家族等)のため」という感じになってくる。それが、(将来は受け入れられるのかもしれんが、)今の自分には到底受け入れられない。
 自分は少々思考に潔癖性があるのかもしれない。理想主義的というか。こういった考え方の性向を矯正(?)するのはかなり難しいのだろう。でも、このままだと、精神的に徐々に追い詰められていく気がして怖い。なんとか、手を打ちたい。