先週末は、観光で上京していた実家の母と一緒に過ごしていた。
 劇を観に行ったり、食事したり、水いらずのひとときを過ごした。
 でも一日経ち、なんとも言えないむなしさが襲ってきた。


 理由は、次のようなことだろうか。


 母は60歳近く。白髪もだいぶ多くなってきた。会うたびに老いていっている気がする。
 実家の話を聞いた。90の祖母が、だいぶ弱ってきてるらしい。頭の良い人だったが、とうとう認知症っぽい状態になってきてるそうな。
 自分はというと、人との接触を絶ち、職場での最小限のやりとりだけで社会生活を済ませ、あとは自分の殻にこもりっきり。このままではまずいと思いつつも、どんどん孤立し、その状況を改善できず、絶望感が積み重なっている。
 親しい仲の知人もめっきり減った今、無条件で自分を受け入れてくれる人間ってのは、ほとんどいない。その貴重な一人が母。
 そんな母がもしいなくなったら。もういい歳なわけだし、いつどうなってもおかしくない。
 そうなったら、自分はこの広い世の中で、「ひとりぼっち」状態に大きく近づくことになる。考えただけで恐ろしい。
 かといって先に自分が死んで、親を悲しませるわけにはいかない。それだけはだめだ。


 そんなことをいろいろ考えてたら、なんだか気が滅入ってきた。
 母とのふれあいのひとときが、却って精神的ダメージになったみたいだ。


 情けない。
 やるせない。
 むなしい。