The past glory
高校3年の春、上京し、憧れの早稲田大学を見学に行った。
大隈講堂前に赴くと、ふと人だかりができている。
なんだろうと思い眺めていると、ふと黒塗りの車。中から降りてくる人影。
広末涼子だった。
くしくもその日は、世間を騒がせたアイドルの、初登校の日であったのだ。(そして、数少ない「登校日」の一日でもあった。)
白く、顔が小さく、爛漫な笑みをたたえ、存在していた。
田舎から出てきた17の少年にとって、これは忘れられないエピソードとなった。
東京、早稲田、大学生活、、、、、
そういったものが、坂の上の雲のように思え、すべてが期待と希望に満ち満ちていたあの日−−−
それらの希望はかなりの程度、かなったわけである。
不満や悔いはあれど、それでも大いに青春を謳歌した。
でも今、一介の社会人となった今、そういった「過去の栄光」にしがみついているわけにはいかない。
なんだか、バブルの日本と似ているなと感じた。
"Japan as No.1"、瞬間最大風速で世界一、、、
見方によれば、黄金の時代だったのだろう。
でも、「過去の栄光」「過去の遺産」だ。
しがみついていては、ガラリと様相を変えた今の社会に適応できなくなっているのは言うまでもない。
時代や状況に自らを順応させ柔軟に生きていけるか。
なんだ、うつの自分の悩みと似ているじゃないか。
どこまで現実に見つめ、自分と向き合えるか。
そういうことなのかな。