a day

 ふと、仕事中、職場で建物を移動しているときに、空を見上げた。
 突き抜けるほど青い空。吸い込まれそうに透き通る青。
 いつの間にか、こういった何気ない日常の一コマに感動できるようになっていた自分に気付き、胸に熱いものが込み上げてきた。


 職場の近しい先輩に子どもが生まれた。
 祝いに、奥さんと赤ちゃんがいる病院へ。
 ち、ちいさい!
 新生児って間近で見たのは初めてだったんだが、ほんとにちっちゃい!
 そして、抱かせてもらった。恐る恐る抱え込む腕にのっかかるその感触は、なんとも危うげで、それでいて確かなる生命の鼓動を感じさせた。
 その後、先輩とふたりで寿司を食べに行った。
 しみじみと、好物のウニを味わう先輩。その顔は、いつの間にか父親の顔に変わっていた。
 


 人生、捨てたものではないことに気付く冬の一日。かけがえのない一日。