雲上の世界

 グチっぽい内容ばかりなのも我ながら情けないので、前向きの話題も。
 今日、実家から車で戻ってきたのだが、途中、寄り道して志賀高原のあたりに寄ってきた。
 ここは以前にも行ったことがあるのだが、そのときはあいにく霧が立ち込めていて、視界がほとんどゼロに近かった。
 今回は、快晴。
 景色の良いところだと噂には聞いていたのだが、聞きしに勝る素晴らしい景観だった。
 「もう人生、生きていても仕方ない」くらいのヤケな思いを抱えてなんとなくたどり着いた土地だったが、思いがけない至高の体験になった。
 標高が高く、雲が眼下に広がる。
 瑞々しい緑に囲まれ、空気も張りつめる。
 朝焼けの陽を浴び。辺りは幻想的な光景に。
 神様が、「世の中にはこんな素晴らしいものもあるんだから、もう少し歯を食いしばって生きてみろ!」と激励してくれてるんだろうか、というふうになんとなく感じた。


 
 中島らもではないが、毎日毎日毎日毎日、苦痛や困難の連続の日々の中、
「生きていてよかった」
 と心の芯から思える瞬間があれば、人生それでいいのではないか。
 その思いを糧に、残りの苦痛と困難の連続の毎日毎日毎日毎日を生きていけるのではないか。
 そう感じるときがある。
 そんな瞬間を味わいたい。そう思わせてくれる、今回の寄り道であった。