声なき嘆き

 自分は「うつ」という病気(であること)にかまけて、怠惰をむさぼっているだけなのではないか。ときにそう感じることがある。このご時世、みんなつらい思いをして生きている。貧困に苦しむ人もいれば、恵まれない家庭に育った人もいるだろう。そういう現実を差し置いて、何を一人悲劇のヒーローぶってるのだ、と。それに、うつで心療内科に通院し、投薬を受けてるといっても、症状が一進一退を繰り返し、結局半年以上通っているにもかかわらず、当初から明確な進展は得られてない。これは、1.そもそも自分が自分のことをうつだと思い込んでいるだけで、実際はそうではない。2.うつという病気自体があいまいなもので、実際は本人の過剰な被害意識によるところが大きい。のいずれかなのかもしれない。いや、おそらく両方、大なり小なり真相だろう。
 「ぐだぐだ言ってるけどおまえ、そりゃ気力の問題だろう」と、うつについて、また、うつ病者について、そう感じる人は少なからずいるだろう。実際、自分も昔はよくそう考えていたし、実際、(うつと診断を受けている)今現在でも、そう感じるときがある。これは、自分も含めたうつ病者全体に対して(ただ、特に「うさんくさい」人に対して強く)だ。
 ただ、そういう欺瞞的な思いはあれど、それでもやはり、現実に苦しいのだ。辛いのだ。やりきれないのだ。不安で不安で仕方なくなるときもある。むなしさで胸がいっぱいになって圧倒的な虚無感に襲われるときもある。対人関係においてどうでもいいようなささいなことが気になり、胃がチクチクすることもある。もっとわかりやすく客観的なとこで言うと、そういった精神状態が波及し、身体的な不具合も出ている。日中は激しい眠気に襲われ、少し歩けば足腰の異常な疲れ。頻繁に起こる頭痛。そして抜けることのない全身のだるさ。
 どうしていいか、わからない。うつじゃないなら、それでもいい。ただ、ただ、この辛さから抜け出したい。人生が無意味に思える絶望的なむなしさ。これは、辛さ、苦しさというのとは違う、なんて言えばいいのかわからないが、自分にもし子どもがいるとして、絶対に味わってほしくない思いである。
 「辛さ自慢」みたいでアホみたいだからもうやめる。よくわからんが勢いで書いてしまった。