選ばれた人種

 世の中を動かすのは、数にして、全体の0.1%程度の人間なのだと感じる。この層が優秀であれば、その国はなんとかなるし、その逆もまた然りだろう。それがどうした、と言えばそれまでだろうが、自分は、こういう人間になりたかったのだと思う。さらに言えば、こういう人間になることを、幼い頃から、(親に)期待されていたのだろう。しかし、現実には、そうはいかなかった。地方公務員として就職した以上、それ以上の飛躍は望めそうにない。社会での自分の位置づけは、定まったも同然なのだ。こう考えると、逃れようの無いむなしさを感じる。大学時代までは、「このまま自分は成長していって、社会を動かす人間になるんだ」と、都合の良い期待を抱くことができたが、将来が定まった今、そうはいかない。現実を見据えるしかないのだ。正直、二十年強かけて培われた価値観を矯正づるのは、そう容易ではないと感じる。一生かけて臨むべき課題かもしれない。でも、このままのいびつな状態では生きていける気がしないし、そうしたくもない。自分の歩むべき道に覚悟を定めねば。